コミュニケーション

6月10日 ジャスミンティー飲む?

「ジャスミンティーってさぁ…」用意していた導入部分を道端にぺっと吐き出す。不審がられたとしても「なんか虫が口に入ってきて…」で言い逃れは可能なはずだ。 直前になって保険を掛けたのは、偏見や悪口で距離を詰めることのリスクの大きさに気がついたから…

6月9日 弁当は温めるに決まっていた

最近、2時過ぎくらいにちょくちょくタクシーで乗りつけるおじさんがいる。いつも飲み屋からの帰りって感じで、そこそこ酔っ払っていて、人当たりが荒い。仕上げには使えないヤスリみたいなキメの荒さだ。 腹の底から「俺はお客様だぞ」と思っているのだろう…

6月8日 4段にするしかないんだよね

「キャンペーンでドーン!!!と展開するから対象のカップ飲料を4段にして欲しい。」出勤すると店長から僕宛にそんなメモが残されていた。「具体的には納品時間に合わせて電話して直接説明させてもらうよ」とも記されていた。 案の定というか、案ののの定と…

6月5日 それってつまり、妻の実家を取り壊すということ?

「米を送ってくれ」という電話をしたついでに(脛齧り)、家の建て替えはどうなっているのかを聞いてみた。 直接携帯にかけるのではなく固定電話の方にかけるのがマイルール。誰が出るのかわからいドキドキなんて今や味わいたくても味わえない。つっても誰が出…

5月27日 いいですよ、の先

あっさりと「いいですよ」と言われた。すごくあっさりと、ダイエット中の方でも気にせずごくごく飲めちゃいますね、みたいなさらさらとした質感の「いいですよ」だった。 僕は僕で前日の夜中に立ち止まって腰に手を当てて「うーん…」と唸った割には、なんだ…

5月26日 足せば足すほど

この1週間ずっと考えている。どう伝えればいいのだろうかと。部屋の中で考えていても息が詰まりそうになってくるので、散歩しながら考える。 抜きのサービスなしで一緒にいてくれませんか(コース料理でいうところのメインディッシュなしで注文できますか)と…

5月20日 寂しいだけじゃないなら

「だからさ、会いたい人がいて会えるんならさ、会えるうちに会っておかなきゃいけないんだよ、ぜったいに」こんな感じのことが最近読んでいる小説に書かれていて、それが今の僕には深く刺さる。 ぐさりと正面から刺されて、先端が背中から少し顔を出している…

5月17日 中泉さん

夜勤で働く人が増えた。30代後半の中泉さん。 いつも通り店長からは何の連絡もなく、シフトに入るのが何回目かとか経験者かどうかとかを軽く挨拶を交わした後に聞いていく。 2回目の出勤で、未経験だった。 ワンオペのところに放り込まれた新人なので黙って…

5月9日 染まる

バイトの女の子の髪色がずいぶんと明るくなった。日差しだったら自然と目を細めてしまうであろうシャイニングカラー。 個人的には「似合ってるけど、おぉ…まぁね、若さってそういうことよね」みたいな感想で、他人がとやかく言うことじゃないけど、もうちょ…

4月11日 「袋いらない」のタイミング。

「袋いらない」のタイミングが悪い人が苦手。袋に入れてる途中で言う人や、入れ終わってから言う人、あれはなんなんだ? 放課後に体育館裏に呼び出されたなら待つべきだと思うよ、さすがに。告白だろうから。緊張で声が裏返っても笑ったりなんてしないでしょ…

4月3日 曖昧に頷いて、その場を離れた

いつも通り遅刻してきた。遅刻してきた割には開口一番「もう上がって」だ。「遅れてごめんね」じゃなくて? だがしかし、店長が朝勤を引き受けてくれたから僕は帰れるわけだ。引き受けて貰えなかったら9時まで残らなくてはいけない状況だったから、何も文句…

3月27日 結婚式 5

2次会は18時から行われた。 ここから参加する小・中学校の同級生の顔を見て、「あのやんちゃな面々と関係を築く一方でこことも仲良く付き合い続けていたのか」と思ったり、「ここが2次会からの招待?え、まじか。本当挙式から招待してくれてありがとうござい…

3月27日 結婚式 4

新郎友人の余興が終わった。たぶんものすごく労力がかかっている。 「まずはこちらを御覧ください」スクリーンにVTRが流された。サプライズのVTR。来そうな日来そうな時間来そうな場所にのこのこやってくるサプライズはむしろ定番なんじゃないか(と、心無い…

3月27日 結婚式 3

披露宴は7〜8人ごとに丸テーブルに振り分けられていた。それが10個くらいあった。7割が新郎友人って感じで、カズアキって友達すげー多いな、と思う。しかもダルビッシュの変化球かってくらい種類(幅?)も豊富。 僕は小・中学校の同級生と同じテーブルだった…

3月27日 結婚式 2

リュウくんとケイちゃんが受付を行っていたこともあって、小・中学校の同級生の面々は挙式会場に最後に入場することになった。 1階席はすべて埋まっていたので、ぎりっぎりまで煙草をふかしていたやんちゃな人たちと共に2階に設けられた立ち見スペースからの…

3月27日 結婚式 1

式場に着くとすぐ、見慣れた顔を見つけることができた。見慣れたといっても最後に見たのはいつだ?成人式で(たしか)顔を合わせたのをカウントしていいなら6年振りだけど、それがだめなら8年振りとか11年振りとかになる。 「久しぶり」挨拶もそこそこにヤスノ…

3月24日 思っていたほど釣り合わず

23時過ぎ、一組の親子が店にやってきた。この時間での親子揃っての来店でも、高校生(おそらく)の娘と母親の組み合わせだったので心は波立たなかった。小学生くらいの子供を連れて夕方の買い物のテンションで来られることに比べたら、微笑ましい超えて愛おし…

3月23日 ずるいやり方?

今週中に行くなら今日しかない。気乗りしないけれど、来週行ったら向こうが覚えていないだろう、と考えた。着替えをして家を出る。 工房の前まで迷わずに行くことが出来た。ほとんど毎日のように買い物に来るお客さんの煙草の銘柄が覚えていられないというの…

3月22日 なにかあったんだろう

いっつも深夜の3時過ぎにミルクティーを買いに来るじいさんがいる。身長が180cmを超えているであろう、大柄のじいさんだ。 このじいさんは手もデカい。手のひらも指もデカい。だからなのか小銭の支払いに掛かる時間が長い。その指で小銭が隠れちゃうんだから…

3月21日 折り返しテレフォン

工房から折り返しの連絡があった。メールではなく、電話で。 自分から問い合わせをしておいて失礼な話ではあるけれど、電話かー…と思った。電話ってすごく緊張する。実家で暮らしていた頃には一切なかった苦手意識がすっかり定着してしまった。誰から掛かっ…

3月18日 こんな時でもタメ口で大丈夫?

このシルバーはダサいよな。 押し入れから引きずり出したネクタイのシルバーはなんだか違う感じがした。なんかこう…切れ味の悪いシルバーだ。包丁の実演販売で「普通はこうなっちゃいますよね」と振りに使われるタイプ。「だけどこちらの包丁ならトマトも…ほ…

3月14日 ピンクのおばさん

そのおばさんはいつもピンクの服を着ていた。ズボンの日があったりトレーナーの日があったり(セーターではない)したけれど、必ず半身はピンクだった。 もちろん、両方ピンクの日だってある。そういう日は、上下にぶった切っても左右でぶった切っても必ずピン…

3月10日 礼服を買う 8

「結婚式のシャツだとこのへんですかねぇ」いかにも無難な白無地のエリアで店員は言った。もちろん白無地と言っても素材やらシルエットやらがあるだろうし、それらによって多少は推奨されるシチュエーションに違いがあるんだろうけど、「このへん」にくっつ…

3月10日 礼服を買う 7

シャツの売り場は1階になるらしく、二人で並んで階段を降りる。途中、メンバーズカードを持っているかどうかを聞かれた。僕は「利用するのが初めてでメンバーズカードは持っていない」と正直に伝えた。 「登録してくれますか?」と店員に言われれば、その目…

3月10日 礼服を買う 6

「通常ですとお渡しは19日になりますが、それでよろしいですか?」試着室の外で待っていた店員にそう言われ、僕は少し固まってしまった(裾上げだけでそんなに時間かかる?と思う冷静さはまだなかった)。 「えっと、あの…配送してもらうことって可能ですか?…

3月10日 礼服を買う 5

スラックスに感じている不安はウエストだけではなかった。太ももにピタッとくっつく感じはどうなんだろう。こっちはこっちで意見を聞きたい。 普段履くものの中でピタッとくっつく感じがあるのはヒートテックだけだ。チノパンもジーンズも細身のものは(持っ…

3月10日 礼服を買う 4

このスリッパはどうすればいいんだ…?試着室の中央にセッティングされた赤いカーペットのギリギリの位置に置かれたスリッパに戸惑う。 「それでは靴を脱いでこちらにお上がりください。」店員の支持に従う。靴紐をほどきながら、どちらが正解だろうか、と考…

3月10日 礼服を買う 3

その一角には見本として4種類のスーツが面で吊るされていた(本屋の平積みみたいな正面ばーんの感じ)。おそらく4つそれぞれタイプが違う。何が違うかは全然わからないけれど、たぶん違う。違わないものを4つも面で並べないはずだもの。 事前にネットで調べて…

3月10日 礼服を買う 2

なんか洗練されているな、と思った。洗練っていうか「若い」って感じ?就活用のスーツを買いに行ったときの店は、もっとこう…全年代を対象にしている感じがあって、こんな風に若者向け感がなかった。 客のほとんどが目的を持って商品を見ている感じがした。…

3月7日 落ち込む理由はあなたが言って

「今日の俺はもうダメだ」店長の言葉を聞きながら、いつもとは違うのかも…と考える。 店長が疲れているのはいつものことで、わりと自分がいかに疲れているのかを言葉にしたがる(適度に発散しないと爆発しちゃうともいえる)タイプではあるんだけど、あとに続…